(2022/2/1)

硬直した人事制度の弊害について(3)

(前頁より続きます)

一方、対米戦争 (太平洋戦争)の連合艦隊司令長官山本五十六に ついては、連合艦隊司令長官に選ばれた理由は海軍兵学校の 卒業年次 と成績以外考えられません。

山本五十六は海軍兵学校で学業優秀でありました。山本五十六は 連合艦隊司令長官に選ばれたとき、昭和天皇に対し「1年ぐらいは暴れ てみせま しょう。しかし、その後のことは分かりません。」と言いま した。

そして、アメリカと戦うことに反対していたのに、周囲の大反対を押し 切って真珠湾への先制攻撃をかけてしまったのです。完全に矛盾した 行動です。

そして、山本五十六連合艦隊司令長官は一度も戦場に立つことなく、 決戦となったミッドウェイ開戦で負けてから、敵の制空権を飛んで戦死 しました。その後、日本は惨めな敗戦を迎えたのです。犠牲者は 300万人という途方もない数でした。

「日本国紀 百田尚樹 2018年11月10日第1刷発行 2018 年11月25日 第4刷発行 幻冬舎 」は言います。

「アメリカ海軍の強さはその能力主義と柔軟な人事にある。 チェスター・ニミッツは、実戦能力を認められ、日米開戦となった時は 序列二十八番目の少将から中将を飛ばして大将に昇進し、 太平洋艦隊司令長官に就任した。」398頁

 

( 日本軍の兵士は必死に戦った )

このような柔軟な人事制度の下の優秀な指揮官に率いられたアメリカ軍 を相手に、硬直人事の海軍兵学校卒の無能なエリート軍人達に足を引っ 張られながら、あれだけの戦いをした日本軍の兵士の方達に私は頭を 深く下げます。

同じく、「百田尚樹 日本国紀 2018年11月10日第1刷発行  2018 年11月25日 第4刷発行 幻冬舎」は言います。 「大戦中の日本軍の指揮官クラスは現代の官僚に似ていると思う。いや、 現代の官僚が当時の軍人に似ているというべきか。」397頁 

しかし、私が考えるに、大戦中の日本軍の指揮官クラスは現代の官僚に 似ている、のではなく同じなのです。違っているのは、その対象です。

大戦中の日本軍の指揮官クラスの対象は軍事でした。そして、現代の 官僚の中の官僚と言われる東大法学部卒の財務省官僚の対象は経済です。 大戦中の海軍兵学校卒のエリート軍人と東大法学部卒の財務省官僚は 扱う対象が違うだけで、あとは全く同じなのです。

無能で強欲で自分達の利益だけをどこまでも追求するのです。そして、 国民を破滅させるのです。

私は人間の認識について考えたことがあります。人間の認識には、私が 考えるに、 三つのことがあります。@ 記憶力によって覚えること  A 知力によって理解すること B  体験によって身につけること 、 の三つです。この三つが揃って人間の認識 は全体となるのです。

海軍兵学校卒のエリート軍人は、@とAの学校勉強は優秀です。その こと によって、本人達は舞い上がり、国民は崇拝といってよいほど 彼らを非常に 高く評価しました。

しかし、学校を出て社会に出ればB体験によって身に つけること、が 必要になります。社会に出て仕事をすれば、失敗することがあります。 その失敗の体験を 反省して次に生かすことによって人は成長していく のです。

しかし、 海軍兵学校の卒業生は、エリート意識に凝り固まってしまって B体験に よって身につけること、が無いのです。そのため、対米戦争 (太平洋戦争)中、敵のアメリカ軍があきれてしまう ほどに、同じ 失敗を何度も繰返すのでした。

これは、海軍兵学校の卒業生 を国民が崇拝といってよいほど崇(あが) めたことが一番悪いのです。海軍兵学校卒の無能なエリート軍人達を作 ったのは、実は国民の彼らへの 崇拝なのです。

勇敢に戦った兵士達は本当に気の毒でした。戦争の指導層が無能な場合、 兵士が誠実に勇敢に戦うほど負け方がひどくなるのでした。上記の 海軍兵学校卒の無能なエリート軍人達の性質は、実は現代の東大法学部卒 の財務省官僚の性質そのものです。

(次頁に続きます)

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